◆'05 萩リタイヤ記(ショート編)◆

ついにやってしまった!

魔がさした?
「3度目の正直でリタイヤかも」なんて言ってたのがあかんかった?
ただ根性がなかっただけ?
気合が足りなかった?
完踏の動機付けが足りなかった?

あきらめないことが大切。−−−−−確かに。
時間内はコース上にいるべきだった?−−−−−確かに。
走れなくとも、歩くだけでも進んでいるべきだった?−−−−−確かに。
みんな正論。

でも今回は一番楽な方法を選んでしまった。
車で送ってもらって、お風呂入って、寝る!

鯨墓までの往路は頑張って走り歩きしていた。
応援電話も2件もらい、やめることなんて思いもしていなかった。
頭の中でこれからの時間も計算していた。
すれ違いで知り合いにも会い、元気ももらったはず。
なのに、なのに、、、なぜ?
折り返して暫くして、、、何が起こったのか?
上りは歩く、下りも辛いので、せめて平地は走らねばならない。
しんどいと思いながら走っていたと思う。
ゆっくりでも走らないと、って!

ここで、遠い先のことを考えてしまったのがいけなかったかな〜?
仙崎まで。
次は宗頭まで。これが長く感じる道なのだ。
それから鎖峠を越えて、三見、玉江、笠山、東光寺、往還道・・・。
ずっと頑張って走らないとゴールできない。
こう考えるとこのまま走り続けるのが嫌になってきてしまった。
この先、まだ100キロも今までと同じように頑張らないといけないのか?
思わずぞ〜っとしてしまった。

まだちょっと迷いながら歩いていた。
やめる気持ちが出てきたら、どんどん歩きが多くなっていく。
この気持ちは川の流れのようにどんどん一方向へ流れていくものだった。
今更逆方向へ戻せなかった。

今まで2度ゴールさせてもらってるし、リタイヤもいいんじゃないか?
宗頭のお風呂にゆっくり浸かって体育館で寝るのも悪くないんじゃないか?
後悔しないか?−−−(しないようにしたい)

まだ鯨墓に向かっている人がたくさんいた。
この時間になっても頑張っている人がいるというのに、自分は止めるのか?

でも、もう心の中は決まってしまった。
それでもある程度は走って仙崎に着こうと思っていたのに、
やっぱり歩き中心になってしまった。トボトボと・・・。
仙崎9:30頃着。スタッフにリタイヤを申告する。
あっさりと受理?される。

あー、リタイヤって簡単。
気持ちが切れるってこういうこと?

リタイヤはすぐ知り合いに伝えて、ネットの掲示板で知らせてもらった。
故障でもしたと思われたようで心配をかけてしまったかな。
申し訳なかった。

今までリタイヤした人にすぐ「なんで〜?」「もったいない。」「ゴールでき
たのに〜」などと散々いろいろ言ってきたような気がする。
でもやめることって、そんな難しいことじゃないみたい。
それがわかったかな。
人それぞれではあるけど・・・。

この後、リタイヤ者が味わう寂しさ?をいろいろ味わった。
まだ走り続けている人の中には入りにくい。
頑張ってというのも何だか言いにくい。
暑い中、往還道を進んでいるランナーが眩しい。
今年こそと思っていた草餅のエイドに寄れない。(笑)
完走者名簿に名前がない。
みんな脚を引きずってるのに、自分ひとり元気が残っている。
ゴールしてきました、って報告ができない。(当然)
おめでとうって言ってもらえない。(当然)
気持ちがすっきりしない・・・。

UMMLの投稿で、『(とは言っても、しんどい、痛い、眠い、つらいは当た
り前ですが)』という言葉を目にする。眠いも痛いもなかった自分・・・。

「しんどいのはみんな一緒」。この言葉も道中で聞いたのに。

歩いてでも、例えゴールに間に合わなくても、時間内は一歩でも前進するべき
だった。

数日たって、やっと(?)やっぱりこのままでは終われない!?って思い始め
た。こんなもんかな?

リタイヤはやっぱりよくない!
今回のリタイヤは余計よくない!
可能性を自分から捨てたのはよくない!
最後まで頑張らないと!
大きな忘れ物をした気分・・・。
1年先なんて待ってられない?
あー、いますぐにでもやり直しをしたい!(無理やって・笑)


自分からやめるとは、こういうことなんだな〜と今更ながらに実感・・・。

(終)



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