===くーさんの '05 萩リタイヤ記(ロング編)===
         
お時間のない方へ(ショート編)
  
◆リタイヤの伏線あり!?
走る前から「3度目の正直でリタイヤかも?」なんて言ってたのがアカン?
今回は装備、シューズなども不安で迷いまくりだった。初めての大会でもないの
に最初から変だったかも?

2日の18時、いつものようにスタート。
快調だった。マイペースでゆっくり。単調で嫌いなサイクリングロードも気持ち
よく走っていた。

こういう時の不安。続くかという不安・・・。
最初はたいてい足が重かったりで不調な時が多いのに。
最初から快調で最後まで快調にいった試しがない。

ゆっくりながらも去年と同じペース。トイレ時間、休憩時間を短縮する。

案の定(!?)下郷駐輪場前後からもう足が重くなる。まだ9時半頃だ。
歩きが入る。これは例年と同じだが、でも何かが違う。足の付け根(股関
節?)、太腿、ふくらはぎ、みんな重い。張ってる? ズキズキするような痛み
ではないのだが、自分で何なのかわからなかった。度々止まってストレッチして
みる。またゆっくり走ってみる。暫くするとまただんだん重くなり走れなくな
る。

そのうち走れるようになるか?今までも30キロ前後から歩きが入っていたのだか
ら、とにかく歩きを入れながらも前進。

上りより下りが辛い。膝上に違和感あり。

43km、西寺エイド着。ほっとする。0時頃だった。でもまともに走れないのだか
ら、ゆっくりはしていられない。とっとと出発しないと。すぐゴルフ場の上りに
なり歩きに。せめて下りくらいはと思うのだがだめ。なだらかな下りなんて絶好
の走るところなのにだめ。いったいどこで時間を稼ぐのだ?
上田代がちょっと遠く感じる。その後、わりと急な下りが少しあった。こんなん
あったかなあ。覚えがない。当然歩き。計算する。豊田湖は2時過ぎか?去年と
一緒くらい?走り出すと何とか続けて走れる場合もある。切石亭への上りは何と
か走れた。頑張って走ったつもり・・・。

1時45分頃だったか豊田湖エイド切石亭到着。うどんだけ頂いておにぎりは返
却。もう食欲落ち気味?早々にスタートする。歩き走り。
次は俵山温泉エイドを目指す。去年は雨の中もくもくと走っていたせいか長く感
じなかったが、今年は長く感じる。
エイド到着。アミノバイタルを飲む。効き目はあるか?腰の擦れたところにキネ
シオテープを貼る。
次は砂利ヶ峠(じゃりがたお)峠へ。下りの方が辛いので、せめて最初の方の緩
い上りは走る。峠直前の急坂はさすがに歩く。4時15分峠越す。去年とだいたい
同じ時間だった。さて、下り。やっぱり走れない。どんどん抜かされていく。
夜が明けて5時過ぎ、大坊ダムエイド着。やはりちょっと遅れぎみとなる。味噌
汁?と苺を頂く。このエイドの先もまだ下りである。とにかく歩くよりはマシっ
て程度のトロトロ走り。それでも膝は壊れそう?太腿も突っ張って堪えたが、足
の付け根はましになってきたようだ。
海湧食堂まで歩いたり走ったり。遥か前方に俵島の先が見える。気が遠くなりそ
う。食堂ではおいしい和?定食を頂く。(7時前後)ごはんに豆腐に和風のおか
ず。自分好みで大満足だった。

次は俵島へ。
地図は2組も持っていたのだが、一切見なかった。(ある程度覚えている、白線
がしっかりしている、前後に人がいた、から)
農協前で荷物をどうしようかと思ったが、今年も置いていく。しかし手に荷物を
持っては走りにくかった。復路のY子さんが、いっぱい道があると教えてくれ
る。せっかくだから、まだ未踏破の真ん中の道へ。木陰もあり涼しいが、案外長
く感じる。
第1CP(チェックポイント)9時頃到着。本部の電話番号を奥代さんに訊く。
(ほんとに必要になるかも、という予感が? 何でもかんでも そっちへ結びつ
く?これも伏線?(苦笑))帰りは距離の短い北回りコースへ。木陰が気持ちよ
さそうで道にねっころがってみる。が、その途端軽トラが来てびっくり。後ろか
らランナーも来て慌てて起きる。恥ずかしいー。
海の青さは去年程の感動がなかった。
最後の方なので、農協に近づくにつれ置いてある荷物が心配にもなってきた。
ちょっと焦って戻る。

次は第2CPの川尻岬・沖田食堂へ。
誰かが4キロって言ってた。歩いたら1時間? 走れるところは走ろうと思う
が、背中の擦れが痛くて思うように走れず。最後はリュックが動かないようにき
つく締めて、何とか痛みから解放される。
食堂では、今年は天邪鬼に?カレーうどんを頼もうかと思ったができないとのこ
とで、ご飯少な目のカレーを頂く。知り合いがいたので、背中にキネシオテープ
を貼ってもらってやれやれ。お決まりの?アイスクリームを買うが、固くてすぐ
には食べられない。時間がもったいないので手に持って歩き出す。
畑峠までのアップダウンもほとんど歩きで、峠からの急激な下りは完全に歩き。
次の休憩場所、シーブリーズでは何を飲もうかなと考えていた。冷たい物ばかり
ではお腹に悪いから、あったかい物があればと思っていたがなかった。迷った末
にアイスコーヒーを注文。(迷う時間がもったいない!)ゆっくりしてられない
が、沖田食堂から気になりながら後をつけていた?(笑)富山のアメンボさんと
少しお話する。アイスコーヒーをとっとと飲んで、もらった氷を帽子に入れてス
タートする。この先も上りがきつく走れない。立石観音へ下る途中湧き水発見。
これ幸いと足に掛ける。気持ちよかった。心なしか足も楽になったか。これから
は水があればアイシングだ!と思いながらゆっくり下る。

立石観音のCP通過して、次は千畳敷への長い上り。やっぱり歩いてしまう。中
腹の平坦なとこだけ走ってまた歩き。
やっとあと1キロの津黄峠へ。この1キロに騙されてはいけないことは知ってる
のだがやはり騙された? 目の前の急坂にうんざり、ため息ばかり出る。去年も
してた道路工事はまだ終わってなかったが、ここまで来ればあと少しのはずと
思ったら大まちがい。まだ先は長かった。

千畳敷14時過ぎ着。今年は草原を突っ切ることにする。先に駐車場の自販機で給
水してからレストハウス前のCPを通過し、前方の階段を下りた。おりにくい階
段で、とてもトントンとは下りられなかった。
道に出てからもとても走れたもんではない。おととしはうんざりしながらも走っ
ていたのに今年は全くダメ。ほんまに下りが弱過ぎる。

西坂本のエイドでもあったかい飲み物をリクエストしようと思ったがなかった。
お茶を2杯頂いて、また足に水を掛けてスタート。足は最初の辛さはなくなって
る感じだが、さすがにもう疲れていて思うように走れない。歩き走りである。海
岸沿いに出て自販機休憩をしたい気もあったが、萩市街に入ってからコンビニで
何か美味しいものでも食べようと思い我慢。国道191に出て去年より時間が掛
かってるようなので、(多分あるだろうとの思い込みの)コンビニ目指して頑
張って走る。まだこんな力が出るんだと我ながらびっくり。しかしコンビニは国
道沿い(左側)にはなかった。すぐにスピードは落ちた。ゲンキンな奴。仙崎の
突き当たりを左に曲がり、エイド直前にやっとポプラがあった。お腹に溜まるも
のが欲しいところだが入らない。結局、牛乳とヨーグルトを食べた。

仙崎エイドに着いたのは5時25分頃? 食べ物はなかったが一人1本のペットボ
トルをもらえた。武内さんから電話が掛かってきて、ちょうどいいタイミングで
鯨墓から帰ってきたsyuさんに取り次ぐ。時間がないので会話は急いでもらっ
て、鯨墓へ向かう。片道2時間として帰ってきたら9時半。宗頭は0時半?頭の
中では時間的にいけると思う。
青海大橋で岡村さんとすれ違う。不調とのこと。今までに経験したことのない状
態とのこと。岡村さんでもそんなことがあるんだと驚いたり、またレベル違い過
ぎなんだけど同じだ〜なんて思ってしまう。(しかし、さすがというか当然とい
うか、岡村さん、後半復活されたそうでよいタイムで完踏されてました)
これまで通り上りは歩き、下りもゆっくり。時間ももったいないし固形物は食べ
られないので、キャンプ場は寄らないことにする。この往路で立て続けに応援電
話をもらう。平地を走っている時でたまたま元気に受け答えしてたと思う。

鯨墓に到着。
片道2時間かからず。この調子だと9時前後には仙崎に帰れるか。
復路を進むうちに真っ暗になった。まだまだ鯨墓に向かう人がたくさんいてびっ
くりする。
上りは歩くが平地は走らねばと思う。その平地を走るのも辛いと言えば辛
く・・・。ここでいろいろな想いが巡ってきた。

最初、まだ30キロ前後で足が辛くなった時、この先まだ200キロ以上ある、この
状態で進むのは辛いと思った。自分にはそんな根性ないとも思った。
休憩を短縮しつつ、何とかここまで頑張って来た。
あと残りは? まだ100キロはあるか?
この先も頑張り続けないといけない。
仙崎まで頑張る。宗頭まで頑張る。そこから萩、東光寺、往還道、あの長い国
道・・・ゴールの瑠璃光寺までずっと頑張らなきゃいけない。頑張らないとゴー
ルできない。
食欲は落ちてお腹が気持ち悪くなっている。これからのエネルギーは?
コーラ?アイスクリーム?

・・・・・・・
やめたらあかん?
あー、宗頭でゆっくり風呂に入って、ゆっくり寝たらどんなに楽だろう。
2回ゴールさせてもらってるし、1回リタイヤさせてもらってもいい?
収容されるってどうやってされるのかな・・・?

・・・・・・・・・・・・・
だんだん歩きが多くなる。
もう気持ちが引き戻せない。
やめる方に流れていった。
今から立て直せない。
(何かちょっとしたきっかけがあったら流れを変えれたかも?
 甘い考えだが)

やめろと言われるまでコース上にいようと思わないのか?
可能性があるのに止めるのか?まだ動けるのにやめるのか?

ほぼやめる気持ちが固まっていたが、せめて仙崎には9時○分には到着しようと
考えつつ、その○分がどんどん延びていった。
トボトボと真っ暗な中、歩いていた。走る気力がなくなっていた。
まだこっちに向かっている人がいる。
今から向かって一体何時に鯨墓に着くの?
これでも間に合うの?

・・・・・・・・・・・・・・・・・
仙崎についた。
「リタイヤします」って言う。あっさりと受理?される。
ちょっと拍子抜け?


◆リタイヤ後の20時間半
大会本部に電話をして、リタイヤを連絡する。収容車を待つ間、ロングTシャツ
1枚のままではさすがに冷えてきた。ゴミ袋しか持ってないので取り敢えずそれ
を被る。風が吹くとそれでも寒くなった。
他に震えて待っている方がいたので、スタッフの方が軽トラに暖房を入れて乗る
ように勧めてくれた。私は最初は辞退していたが、1台目の収容者が満車で乗せ
てもらえず、次を待っている間に寒さが堪えてきたので乗せてもらった。が、こ
の暖かさは自分にはよくなかったようで、一気に気持ち悪くなり吐き気がしてき
たのですぐに外に出た。
そうこうするうちに2台目の収容車到着。スーパーの袋を広げていつでも対応で
きるように準備して乗せてもらう。事情も話し、いざという時には止めてもらう
ようにお願いする。(後で考えれば、帰りに乗せてもらえばよかったのだが)
この車はすぐには宗頭に向かわず、またキャンプ場の方へ向かった。まだコース
上にいるランナーの確認と他のリタイヤ者の収容をしながらだった。いつのまに
か、ランナーは数少なくなっていた。あのたくさんすれ違ったランナーはどこへ
行ったのだろう?
キャンプ場ではついに車を降りてゴミ袋に顔をうずめたが出るものはなかった。
まだ気分はすっきりしなかったが、また車に乗って今度こそ宗頭に向かう。いつ
の間にか寝ていて宗頭に着いて目が覚めた。車中で迷惑を掛けずに済んでとにか
くよかった。

宗頭には知った顔がいっぱいいた。でも食欲もないし、リタイヤした自分が頑
張ってとも言い難く、荷物を受け取りさっさと浴室へ向かう。たくさんの人がい
た。え、この人も?この人も?リタイヤするのかと一瞬大きな勘違いをした。
ちゃうちゃう、みなさんここで着替えたり汗を流してさっぱりとして、またすぐ
スタートする人たちばかりだった。何だか居心地悪く暫く時間を置いて、一人に
なってからゆっくり風呂に浸からせてもらった。思わず寝入りそうだった。半分
寝ていたかも? リタイヤのことは余り考えてなかったので、下の着替えはタイ
ツしかなかった。これから寝るのに締め付けるタイツを履くのは気が進まないと
ころだが仕方がない。それでも汗の臭いがしないのでマシかな。(苦笑)風呂に
入るまでは自分が臭かった!

廊下や食堂にいる人たちは出発の準備をしている。厨房ではリタイヤした人がお
手伝いしている。お手伝いをするのも嫌ではないのだが、今回はゆっくり寝させ
てもらおう。そうしたいと思ってこの楽な道を選んだのだから、、、。今回はお
許しを。
体育館に行って毛布を2枚貸してもらい、真ん中辺にいたNさんの横に陣取らせ
てもらう。既に外堀?は埋まっていて、自分の好きな端っこは空いてなかったの
だった。リタイヤを知ったかのんさんからメールが届いていた。すごく心配して
くれていて申し訳なく思う。どこが悪いわけでもなく元気だったのだから。もう
遅いので明朝レスすることにして寝る。
朝起きれるかどうか心配していたが杞憂だった。まだ興奮しているのか、いびき
の何重奏のせいか? みなさんもっと静かに歩いたら?と思ったが、自分が歩い
てみてわかった。自分の足ながら思い通りに制御できない足になっていたのだっ
た・・・。
syuさんが気がついてくれて、朝の一杯(お茶)をごちそうになる。なんと隣の
Nさんにも!ありがとうございました。
歯を磨いてすっきりして、外に出てバスを待つ。
萩まで歩いていく人たちが出発していく。三見から玉江まで明るい時に通ってみ
たい気持ちはあるが、今日は時間が足りないのでやめておく。
2台のバスに分乗して萩城址へ向かう。萩城址は初めてだった。ゆっくり散策し
たい気もあるが、今日は時間的に無理。
往還道を山口まで走るというKさん、NTさんについていく。ペースが違うので
途中から先に行ってもらい一人でのんびりと行くことにする。コンビニで朝&昼
食を買い、まずは腹ごしらえ。自分の予定は、ランナーを応援しながら往還道を
進み、どこか国道に出たところでバスに乗り、3時くらいからゴールでランナー
を出迎えるというものだった。

前後からやってくるいろんな種目のランナーに声を掛けながら歩いているとなか
なか進まなかった。去年寝ながら歩いた一升谷。今年は目はしっかり開いていた
がそれでも長く感じた。リタイヤして足は元気なはずなのによろけている。ラン
ナーの方が元気そう?走ってる人までいる。
多くの歩け歩けの部の人ともすれ違い声を掛け合う。タイツを履いているせい
か、ゼッケンを外しているのに「頑張って」「お疲れさま」「もう少し」とか言われて
しまう。いちいち釈明するわけにもいかずちょっと苦笑しながら応える。

国道に出て、ちょっと早いがバスに乗ることにする。バス停も傍にあった。バス
はほんとに通るのか?どんな間隔で走っているのか?満席だったら?いろいろ不
安に思いながら、日向にはとても立っていられなくて少しでも木陰のある方に移
動して待っていた。この日はほんとに暑く感じた。陰のない国道を走っていくラ
ンナーはさぞきついだろうと思いながら背中を見送っていた。
程なくバスが来た。ほぼ満席だった。かろうじて最後尾に一人分空いていて座れ
てよかった。さすがに汗臭いバスだった。(^^;
バスの中から国道を進んでいるランナーを一生懸命目で追った。知り合いもちら
ほら。声は掛けられなかったが暑い中頑張って前進してるランナーが眩しかっ
た。今年こそ食べたいと思っていた草餅エイドも通り過ぎるだけ。残念。

瑠璃光寺に着いて、今度はゴールしてくるランナーのお出迎え。暑いのでソフト
クリームやらカキ氷やらつい食べてしまう。完踏もしてないのに贅沢?(^^;
暑さのせいか、疲れきってる人が多いような気がする。みなさん、頑張ったんだ
よね。自分はその頑張ることを早々に放棄したのだった。

最後、まだ帰ってきてない知り合いがいた。NAMIご夫妻だ。まだかまだかと思い
ながらも6時過ぎにはホテルへ向かってしまった。ゴールを見届ければよかった
と後でえらい後悔した。

大会が終わって、みなさんの完踏の喜びに溢れる書き込みを読むたびに、だんだ
んと後悔の念が募り、今ではすぐにでもやり直ししたいと思うくらいになってい
る。萩は今年で終わりにしたかったのだが、やっぱり宿題を残したままでは気持
ちがよくない!?来年こそゴールまで帰ってきたいもんです。(しかし、これっ
てプレッシャーになりそう?そういうのにも弱いんだなあ。笑)


走りが中途半端なら感想文も中途半端で終わりです。(笑)



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