第17回萩往還マラニック
2005年5月2日(日)〜4日(火) 
ひろっさんは250q+70q、私は250qに出場しました。 

「完踏記」が書けたら良かったのですが、
私にはこの長い萩を順序だてて書くことが出来そうにありません。

心に残ったことをパラパラと書き綴ってみました。
何かの間違いや誤字脱字に気付かれましたら「こそっと」教えて下さいね。

受付後、記念撮影で〜す。


説明会会場で記念撮影で〜す。


『申し込み』
ひろっさんは250qと70q、私は250qに出場しました。
最初は二人とも250qに申し込んでいるだけでした。
本当は二種目に挑戦したかったひろっさん、
悩みに悩んだ末
「70qのスタートに間に合わなくてもいい!
やるだけやってみる!間に合わなければゼッケン無しで走る!」と
期日ぎりぎりになって、70qにも申し込みました。

『タラちゃんグッズ』
出発前にタラちゃんから電話をもらい
たくさんお喋りさせてもらいました。
その時、今回の不安を打ち明けたところ
タラちゃんは
ネイチャーなどで役立ったという「タラちゃんグッズ」を用意して下さるとのこと!
めちゃくちゃ嬉しかったです。
山口でタラちゃんにグッズを借りてびっくり〜!
お化粧品、歯ブラシ、お顔のパック等々・・・
持って走るのには何か変?
実はこれは間違いで、
あとで本物のタラちゃんグッズを受け取り
準備の段階からスタート後のまめや擦れ対策など
何から何まで活用させてもらいました。
タラちゃん、いつもながらありがとう。

 
スタート直前!(大友さん撮影)


『スタート』
私は昨年、右脚の故障が完治せず、練習不足のまま2005年を迎えました。
今年に入って長距離の練習を再開しましたが、いつまで経ってもすっきりせず。
やっと調子が出てきたと思った4月、
調子の良かったはずの左脚が「太陽の道」の後、不調になってしまい、萩当日まで休養でした。
しかし、脚の痛みは引かず・・・。
私にとっては初の250qなので、今の状態では完踏は難しいだろうと
ひろっさんと二人
少し重い気持のままスタートしました。

ひろっさんの方はいつも通り、(本人にすれば)まあまあの練習量で
大きな故障などはなく、無事にスタートを切ることが出来ました。

『やっぱり・・・』
250qのスタートですが、ひろっさんも私も第1ウェーブにしました。
ひろっさんは70qのスタートまでに少しでも時間が欲しかったためです。
私は途中関門に少しでも時間が欲しかったためです。

スタート直後から私は脚が動かず大不調。
少しでも前に進もうと頑張りますが、どんどんみんなに抜かされていきます。
キロ8分ぐらいの走りだったのでしょうか。脂汗が流れます。
あっという間に数十分遅れのスタートの人達にも抜かされ、最後尾近くになってしまいました。
知り合いが抜かしていくたび
「どうしたのですか?」などと声をかけてくれたのは
見るからに重そうに走っていたためでしょうね。
(前半から歩きも入っていましたし、あまりの遅さもあったのでしょうが・・)

『壊れてしまった時計』
長丁場の今回、予備のライトや電池は考えていましたが
まさか時計が壊れてしまうとは・・・。
ひろっさんの時計が250qの途中、宗頭(175qぐらい)でお風呂に入った時
壊れてしまったそうです。
(ひろっさん、お風呂で温もったわけではありません・・・)
その後、時計無しで時間の確認をあまりせずにただ前に進んだそうです。
時間が是非知りたければ携帯電話を持っていましたが
計画性のないひろっさん、通過の予定時刻などはあまり決めていませんでしたので
時計無しでも、たいした不便を感じなかったのかしれませんね。
しかし、何が起こるかわからないのがウルトラマラソンですね。

鯨墓から戻ってくるひろっさん。(濱ちゃん撮影)


70qのスタートを無事に切ることが出来たひろさん。(濱ちゃん撮影。)


『寝言』
眠気にはめっぽう強いひろっさんですが
今回、70qの後半に自分の寝言を聞いたそうです。
もう一人の自分が大声で何かを叫んでいたとか。
こんな事もあるんですね。
寝込んでしまわず、怪我もなく、無事に戻ってきてくれて良かったです。

『ひろっさんの70q』
ひろっさんは今回、70qの途中で諦めかけたそうです。
その時、眠気で遅れていたNAMIさんが来て「復活しました〜!」などと声をかけてくれ
ひろっさんを追い越して行かれたそうです。
弱気の虫に負けそうだったひろっさんですが
なんとかNAMIさんご夫妻に着いて行かせてもらって、
無事に萩城跡までたどり着けたとか。
NAMIさん、声をかけて下さってありがとうございました。
奥さまにはスタート前からずっとお世話になりっぱなしでした。
お二人のお陰で今回のゴールが出来ました。
お二人に大変感謝しています。
ありがとうございました。

前後しますが、
ひろっさんは70qのスタート前に下着を着替えようと思ったんですけど
どこにも下着が見つかりません。
(あとで確認するとちゃんとあったのに。)
その時、目についたものが
うららさんにもらった栄養ドリンクでした。
「これはしめた!」と元気一発!(ちょっとメーカーが違いますが・・・)
いただいたドリンク、すごく元気が出たそうです。

『うららさん、ありがとう』
あれは何qの所だったのでしょうか。20q過ぎ?(いい加減です)
前半も前半なのに
私はほとんど走れなくなり、歩きで前に進んでいました。
「止めるしかない。しかし、こんなところで止めらへん・・・」などと悩みながら。

エイドで知り合いの方と一緒になった時
「調子が悪いんですか?どうしたの?」なんて優しく声をかけてもらって
わっと涙が出てしまいました。
振り返るとそこに・・・うららさんです。
うららさんに気づいて涙が止まれば良かったのに、反対に数倍の涙になってしまいました。
恥ずかしかったけど
あの時、あの場所にうららさんがいてくれて良かったです。
励ましてもらったお陰でもう一度走り出せました。
あの時、止めなくて良かったです。

『遠くならないホタル』
真っ暗な自転車道を一人で進んでいる時、
前を行くホタル(ランナーがつけている、点滅する明かり)が
私が走っても近くならず、歩いても遠くならないんです。
前を行くランナーは
きっと私のことを気にかけて、距離を保ってくれたんだと思います。
次のエイドまで心強く進めました。
どなたかわからないけど
優しいランナーさん、ありがとう。

『小判鮫』
私は人にピッタリくっついて走るのは苦手だと思っていました。
しかし今回、小判鮫走法で若い男性二人に長い間引っぱってもらいました。
秋吉交差点を過ぎた頃(32q付近かな?)前を行く二人の男性がいました。
脚が長くて後ろ姿がめちゃくちゃ格好いいんです!
だからと言うわけではないですが
その方達のすぐ後ろをしばらく走らせてもらうことにしました。
1時間ぐらい?これもいい加減です。
その方達はきっと私のことが気になったと思います。
息の荒いおばさんが挨拶もせず、声もかけず、距離も置かず、ピッタリくっついているんですから。
あの1時間ほどは何も考えずしっかり前に進めました。
本当に助かりました。

『こーちゃん』
100マイルクラブの「奥」さんの事です。本当はカタカナで書くの?「コーちゃん」でしょうか。
43q地点、私が自分の掲示板に
「フル地点です。もう自分に負けています」と泣き言を書いた時です。
夜中の0時過ぎでした。
西寺交差点のエイド過ぎ、休憩をされていた
こーちゃんと一緒になりました。
「やあ、ふきこさん!追いつかれてしまいましたね。ここから一緒に行きましょか!」
と声をかけてもらいました。
そこから先は山の中、ゴルフ場があって分かれ道も多く
迷いそうな道のりです。
とても一人では心細いです。時間帯もね。
迷惑をかけるのではと心配しましたが、思い切ってご一緒させてもらうことにしました。
気持?何でしょう?
その後の4時間、こーちゃんや
その時一緒になった他の二人のランナーさんとお喋りしながら
嘘のように元気に走れました。
私以外のみなさんは本当に走力のある方でした。
お一人は出場されたトランス蝦夷のお話をされていました。
もうお一方はスパルタのお話でした。
速度や休憩など、私に合わせて下さったことはよくわかりました。
3人のランナーさん、明け方までおつき合い下さり
ありがとうございました。
あの出会いがなければ私はフルで終わっていたか、
真っ暗闇のゴルフ場で彷徨っていたことでしょう。
「先は考えなくていい、とにかく夜が明けるまで頑張ればいい」
こーちゃんの話してくれた通りでした。
夜中は「夜が明けるまで」
夜が明ければ「日が暮れるまで」そういう風に少しずつ前向きになれました。
本当にありがとうございました。

『五十川さんとがっつ君、ありがとう。』
今回、本当にたくさんの方に助けてもらいました。
こーちゃん達から遅れてしばらくした頃、五十川さんにご一緒してもらうことになりました。
24時間以上一緒に「走って」「歩いて」「仮眠所で休憩して」もらった、
五十川さんからのメールの一部です。
(五十川さん、勝手にアップしてごめんなさい。)
「あんな場所で会ったのも何かの縁かと思います。
夜もしらじらと明けて来て、ふと前方に何かがうずくまっているではないか!
それが、ふきこさんでした。
もうダメです。もう止めますと何回も言ってましたね!
初めての挑戦なので、私はどうしても完踏してもらいたい気持がいっぱいでした。
・・・・
初めてというのは、とても大切だと思います。
 今の距離で膝痛では無理かなとの気持ちは少しありました。
膝痛で痛み止の薬をのみながらの一歩一歩、戦っている姿をみて、私も完踏に協力で
きればとの思いでした。
今回だけは薬に頼りましょうと言ったのも、そういった思いからです。
・・・・
虎ヶ崎の食堂まで来たらあと50Km弱、ふきこさんが食事を済ませるなり
先に出発 しますとのこと、自分のぺ−スで行けるのでいいのではと
私の方も後で行ったほうが確認が出来ると思いました。
東光寺の折り返しで順調に走っている姿を見て安心しました。
・・・・・・
萩往還道の入り口でご主人に会いました。
10分前に行ったとのことであとを追いました、なかなか追いつかない、これは順調に
行っているな〜と思い 安心しました。
 途中で応援にきていた九州の男性X氏と何回か出会い、現在場所の確認もさせても
らいました。
X氏は『ふきこさんを萩までよろしくお願いします』と言われました。
 ますます頑張らなければと・・・・ゴ−ルを誓いました。
・・・・
跡を追うことふきこさんを発見、付かず、離れずの距離を保ちながら見ていました。
歩き走りも入って順調で安心しました。
あと14Km(3時間の余裕)があることから、ここからは一人でも今の状態であれ
ばゴ−ル出来るだろう、ということで先に行きました。
・・・・
ゴ−ル後、ふきこさんを待っていましたが、なかなか戻ってこないので、
なにかトラブルでも発生したのかな(膝の痛み)と・・・・でもご主人がエスコ−トして戻って
くるものと信じていました。
 曲がり角で姿が見えた時、思わず目が潤みました。」


五十川さん、言葉に出来ないほど感謝しています。
本当にありがとうございました。

がっつ君、大変お世話になりました。ありがとう!
私の知らないところでも気にかけてくれていたんですね。
私がへこたれて座り込んでいる時、毎回どこからか出てきて
励ましてくれましたね。
「がっつ君」はいったい何人いるんやろうって思いました。(笑)
往還道で濡らしてくれたタオルにも生き返りました。
がっつ君がいてくれなければ
きっと何処かで居眠りしたまま大会が終わっていたでしょう。

『ユリカモメと萩140qのスタート』
今回、私が萩を走っている最中に「ユリカモメ」という大会がありました。
その大会には知り合いが数名出場されます。
前半、とても苦しくて止めたいと思ったとき、
「なんとかユリカモメのスタートまでは頑張らなくては!」と自分に言い聞かせました。
しかし、ユリカモメが3日にあることは知っていましたが、スタート時間を知らなかったんです。
「スタートは何時なんや・・・」なんて真剣に考えたりしてね。
お昼を過ぎた頃、今度は
なんとか萩の140qの方達のスタートまでは走り続けたいと言う気持になりました。
みんなのスタート前に「もう止めました」なんて言い辛いですから。
いろんな所でみんなに力をもらっていましたね。

幻覚?夢?何かわかりませんが
「ユリカモメは暑くて1時間早く打ちきりになったらしい。でも、みんな完走したそうです。」
走っている最中にそう聞いたはずなんです。
そう思いこんでいた私です。
ゴールしてから友達にそのことを話すと「え〜〜!そんなこと知らんよ。」と言われてビックリ。
あれは夢だったんでしょうね・・・。
夢と現実の区別がつかなくなっていたなんて恐ろしい事です。
ユリカモメに出場されたみなさん、暑い中お疲れ様でした。
萩の140qに出場されたみなさん、
「あ、今スタートしたかな?」「そろそろ、しゃもじに着いたかな?」なんて
ずっと励みにさせてもらいました。
途中で会えなかった方もいますが、
「この星空の下、みんな何処かを頑張って走っているんや!」なんて思いながら
私も負けないようにと頑張りました〜。

『情報』
今回、ひろっさんも私も携帯電話を持って走っていましたが
3日間も充電無しには電池が続かないので
二人とも必要な時以外は電源を切っていました。
お互い用事や伝言があればメールを送っておく、余裕のあるときにメールチェックする、
そんな予定でしたが
今回の二人には余裕なんてほとんどありませんでした。
ひろっさんの状況や私がリタイヤせずに進んでいる情報は
知り合いが確認してくれて
それを二人に知らせてくれたんです。
「ふきこさん頑張ってるよ。」とか
「ひろっさん、順調に走ってるよ!」なんてね。
お互い励みになりました。
お忙しい中、ありがとうございました。
私が大会中にひろっさんに送ったメールは一通で、「宗頭出たし。気をつけてね。」それだけです。
このメールを読んだ時、ひろっさんは
「マメの出来たぐちゃぐちゃな足で走ってるんかな。自分も頑張ろう。」と思ったそうです。
マメの出来たぐちゃぐちゃな足、正解でした・・・。
ひろっさんからは3日の8時、「立石観音のスタンプは道路添いの小屋の前です。」
このメールが一通目。
こんなの気を遣わなくていいのにね。
二通目の短いメールは
4日4時40分過ぎ「今ゴールしました。」の嬉しいメールでした。


『再会!』
昨年の140qで一緒にコースアウトしたKさんも
今年の250qに出場されていました。
説明会会場でもスタート時もお会い出来なかったのですが
200qを過ぎてからの笠山で再会することが出来ました。
Kさんはもう笠山から降りてきて東光寺に向かわれるところ、私は笠山に向かうところです。
制限時間が危ぶまれる私に向かってKさんは、
「絶対に間に合いますよ!頑張って下さい!」
そんな言葉をかけて下さいました。
そして握手!
私、「あっ、手が汚いです、すみません。」
Kさん、「僕こそ、ネバネバしてるかもしれません。」
ちょっと変な会話でしたね。
Kさん、お会い出来て嬉しかったです!
また何処かでお会い出来ることを楽しみにしています。

『ぼちぼち隊、ありがとう』
今回、怪速亭の「ぼちぼち隊」から私以外に二名の出場者がいました。
隊長のやまさんと、こがみちゃんです。
お二人は今回が初萩なので140qの部です。

佐々並エイド到着です!私寝てます? (がっつさん撮影!)

残り35qぐらいの東光寺でのこと、
遠くからオレンジ帽が元気に走ってきます。
こがみちゃんです!
私は口も利けないぐらい疲れていたはずなのに
こんな時は急に元気になるんですね。
「こがみちゃ〜〜〜ん!」思わず大声で叫んでいました。
そしてすぐ後ろにやまさんです。
「やまさ〜〜〜ん!」
やまさんは疲れ果てている様子・・・。
そのやまさんに向かって
「往還道で待ってるから絶対に来てね!やまさんが来てくれるまで待ってるよ!」なんて
私は偉そうに声をかけていました。
本心はやまさんに追いついてもらって、何とか自分を引っぱって欲しかったのかもしれません。

残り何qぐらいだったでしょうか?20qちょっとかな?往還道で3人一緒になりました。
その瞬間、私はまたまた信じられないぐらい元気になりました。
3人でしばらく爆走〜!
それまでヨチヨチ歩いていた私には、飛ぶような走りに感じました。
あの元気は何だったんでしょうね。気持?
あの走りのお陰で
思ったよりもずいぶん前に進むことが出来、夏木原キャンプ場ぐらいで
ゴールを確信する事が出来ました。
あの爆走がなければ制限時間に間に合っていなかったでしょう。
ぼちぼち隊様々です。
やまさん、こがみちゃん、今回もありがとう。

『ゴール』

今回、ひろっさんと一緒にゴールする事が出来ました。

瑠璃光寺の角を曲がる手前でひろっさんと一緒になり、二人で最後の坂を走りました。


私達を見て涙を流してくれる人が何人もいます。
両手を広げて迎えてくれる人もいます。
写真を撮ってくれる人、
大会実行委員長の小野さんと握手をするように導いてくれる人、
本当にたくさんの方に祝福してもらいました。

めちゃくちゃ幸せでした。
たくさんのお出迎え、お祝いの言葉や握手、本当にありがとうございました。

『結果』
ひろっさんの250q 34時間36分03秒   7位
ひろっさんの 70q 11時間10分27秒 103位
ふきこの  250q 47時間40分27秒 169位


『書ききれません』
お礼を言いたい人がもっとたくさんいます。
Mちゃんも遠くイギリスからの応援、ほんとうにありがとう。
hirokunやポカリさんも・・・
カラスを歌うおじさんの事、エイドで食べた美味しかったカレーのこと、綺麗な景色のこと、
宗頭まで信じられないぐらい遠かったこと、リタイヤを止めたランナーさんのこと、
まだまだ書きたいことがいっぱいです。
でも、この調子だととても書き切れませんね。

ご一緒させてもらった青馬会のみなさん、怪速亭のみなさん、
掲示板やメールで応援を下さったみなさん、陰ながら応援して下さった方、
太陽の道でお世話になった方、淡路でお世話になった方、
途中で声をかけて下さったランナーさん、
今大会のボランティアの方々、本当にありがとうございました。

みなさんにたくさんの力をもらったおかげで今回の結果が残せました。
ひろっさんと私にとって最高に幸せな「萩往還マラニック」でした。
みなさん、ありがとう!

みんなとお別れ前、ホテルのロビーで記念撮影です。



今回も色んな方から写真をいただきました。
ありがとうございました。
E-Mail: aaadd101@kcat.zaq.ne.jp
URL:http://www.kcat.zaq.ne.jp/aaadd101/


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